第2話「知っておくべき交通事故の法律関係」

交通事故を起こした運転者は、民事、刑事、行政上の3つの責任を問われます。
当コーナーで扱うのは、加害者側ではなく、被害者側からの、民事の損害賠償請求ですが、加害者としての責任を規定する法律関係を知っておくことは、交通事故の実情を理解する上で、大変有益です。

また、交通事故では、過失割合と言って、加害者と被害者の比率が決められます。つまり、追突された場合などの100%被害者でない限り、損害賠償上は加害者としての責任を過失割合に応じて問われますので、その点を含めて、関連知識を知っておくべきです。

(1)民事上の責任
交通事故を起こした運転者は、被害者に与えた損害の賠償をする責任を負います。
また、運転者だけではなく、その運転者と一定の関係にある使用者や、人身事故の場合には運行供用者も責任を負います。

関係する法律には、「不法行為責任(民法709条)」、「使用者責任(民法715条)」、「運行供用者責任(自賠法3条)」の3種類あります。

(2)刑事上の責任
人身事故を起こした場合には「刑法」、交通違反を犯した場合には「道路交通法」の適用があります。
人を死亡または負傷させ、運転に必要な注意義務を怠っていたと認められる場合、「業務上過失傷害罪、業務上過失致死罪(刑法211条)」の適用対象となり、5年以下の懲役もしくは禁固または50万円以下の罰金が課されます。

刑法上の「業務」とは、人の身体、生命に危害を与える恐れのある行為で、継続、反復してなされるものを指します。
自動車の運転を職業にしているかどうかは関係なく、運転行為自体が「業務」とされます。

さらに、四輪車による悪質な行為による人身事故を対象とし、負傷させた場合は、「危険運転傷害罪、危険運転致死罪(刑法208条)」の適用対象となり、10年以下の懲役、死亡させた場合は1年以上15年以下の懲役が課されます。
*「悪質な行為」とは
アルコールまたは薬物によって正常な運転が困難な状態、制御困難な高速度、制御する技能を有しない、高速度での割り込みや幅寄せ、信号無視などが「悪質な行為」とされます。

・道路交通法違反の罪
無免許運転:1年以下の懲役または30万円以下の罰金
酒酔い運転:3年以下の懲役または50万円以下の罰金
酒気帯び運転:1年以下の懲役または30万円以下の罰金
過失建造物損壊罪:6ヶ月以下の禁固または10万円以下の罰金

(3)行政上の責任
公安委員会が取り扱い、刑罰ではなく、免許停止や取消などの行政処分を行います。

尚、関連知識として、「交通事故現場対応マニュアル」を別掲していますので、参考にしてください。
交通事故関連知識は、事故の当事者になるまでは無関係ですが、当事者になったとたん、極めて重要な意味を持ちます。
「転ばぬ先の杖」として、頭の片隅でも置いていただくと、とんでもなく役に立つチャンス(?)が来るかもしれません。

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