第3話「交通事故被害者が考えなければならない最重要なこと、損害賠償請求」

不運にも交通事故被害者になった場合、被害者は突然非日常の未知の世界に放り込まれ、実に様々な非日常的事項について理解し、考えなければなりません。

まず被害者は、自分自身のケガを治すことを考えなければいけません。

次に入院、通院に伴い、仕事や学業を休む分の穴をどうやって埋めるのかを考えなければいけません。

三番目に、ケガによって付随する日常生活上の余分な負担や支障を、自分で処理するか、一部家族に助けてもらうかを考えなければいけません。

四番目に医療費を初め、経済的な負担をどうするかを考えなければいけません。

五番目に比較的大きな、もしくは複雑な事故の場合は、刑事上の責任や、過失割合に関する調査や協議に協力しなければなりません。

そして六番目に1~5に対する様々な対応をしつつ、その上で、損害賠償請求をどのように進めていくべきかを考えなければいけません。
このように、交通事故被害者が考えなければならないことは多岐にわたり、決して容易とは言えません。
また、ケガによって生じた肉体的、精神的苦痛が大きい場合は、その苦痛に加えて、経済的負担や加害者側の保険会社との交渉の負担がさらに加わりますので、普通の人は、どうしたらよいか分からず、生活は、一時的に大きな混乱が生じます。

あなたが、今、そういう状況でないことを祈ります。
もし運悪くそういう状況なら、本記事を、是非あなたの支えとしてください。よく読めば、困難な状況を抜け出す方法を見出すことができるでしょう。
そうなることを祈りながら、私は、惜しみなく、自分の知識を本記事に注ぎました。

さて、交通事故被害者になり、混乱の中で一定の時間が経過すると、ほとんどの場合、損害賠償請求の大きな壁にぶつかっていることに気付きます。
ケガの痛みもさることながら、損害賠償請求というもうひとつの解決困難な問題が加わったことを知り、悩みと苦しみが倍増するのです。


交通事故被害者は、基本的に損害賠償という分野には明るくありません。
具体的には、請求の内容(何が請求できるか)、いくら請求できるか、誰に請求するのか、請求の手続きはどうすればよいのか、いつ請求するのか、などについて、予備知識が全くのゼロの状態から進めなければなりません。

それでは、そのような立場に置かれたあなたは、何を頼りに、不慣れな損害賠償請求を進めていけばいいのでしょうか?

この疑問に対する答えは、残念ながら身近にはありません。
私が知る限り、既存の解説書のほとんどは、部分的に詳しい一方で、総合的な観点では部分的に解説が欠けて不足しており、素人である被害者が、実戦で困る現状があります。
ですから、ひとつの解説書では対応できず、さらに他の専門的解説書を探したり、立ち止まって答えが見つからない状況に陥ります。

一方、詳しく専門的に書かれている解説書の場合、素人である被害者が、全てを読んで理解し、自分のケースにどのように利用したらよいのか判断するには、無理があります。
結局、それを、ある程度知識がある人に読んで教えてもらわなければ利用できないという問題に直面します。

私自身が、知識習得の過程で、何度となくそのような壁にぶつかったので、初心者向けの解説記事を書こうと思ったのです。
もちろん弁護士に依頼する方法がありますが、それはそれで弁護士選びの問題と、費用の問題がありますので、自分でできるならその方が有利です。
是非本記事を参考にして、困難を乗り越え、自分自身の権利を守ってください。

それでは、次回から順次必要となる知識を紹介すると共に、具体的に解説します。

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