第9話「注意すべき症状」

交通事故被害者の症状は多岐に渡ります。事故直後の症状から、予想もしていなかった症状の変転が生じることがあります。
また、担当医師(整形外科)の多くは、専門外の症状については、残念ながら診断できません。

そうして、変転した症状の原因や傷病名が分からない状態が生じ、当然適切な治療は行われませんので、症状は改善せず、精神的に不安定になり、担当医師への不信感が生じるなどの悪循環に陥ります。

さらに、この状況は、損害賠償面でも大きなデメリットに繋がります。つまり、後遺障害認定は医師の「後遺障害診断書」に基づいて行われるため、該当する後遺障害認定が行われないことになるのです。(恐らくそれによって失う賠償額は、数百万円、場合によっては1千万円を超えることになります。)

本書は、医療知識を詳しく説明することが本来の役割ではありませんので、以下に、注意して欲しい傷病名だけ紹介します。もしあなたが、以下の症状に該当するなら、できるだけ早く、専門医の診断を受けてください。

  1. RSD(CRPS)
    疼痛性感覚異常とも言われます。交通事故で外傷を受けると、交感神経の緊張(反射)が高まり、神経伝達物質であるアドレナリンが放出されます。

アドレナリンは血管を収縮させて出血を抑制しますが、過剰放出され続けると血流障害が生じ、排泄・分泌機能の低下、活性酸素による組織破壊が進行します。

*RSDの主な症状
1)疼痛・灼熱痛
2)腫脹:体や組織の一部が腫れあがる。
3)関節拘縮:骨萎縮が起き、範囲が拡大する。
4)皮膚変化:皮膚が光沢を失い、蒼白となり、皮膚温が低下すると共に乾燥する。

*受診上の注意点
担当医師がRSDの認識に疎く、勘違いして心療内科や精神科を紹介した場合、心療内科や精神科では、「神経症」「うつ状態」と診断する可能性があります。そのような医療過誤を避けるために、信頼できる麻酔医やペインクリニックで受診してください。

  1. 高次脳機能障害
    交通事故による頭部外傷の影響が、感覚機能、運動機能は異常なしにもかかわらず、記憶力が低下し、仕事の要領が把握できず、忍耐力が極端に低下するなど、社会適合能力が欠落します。

*高次脳機能障害の主な症状
失語症、失行症、失認症、記憶障害

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