第11話「後遺障害等級」

  1. 等級
    後遺障害等級は、障害の程度を、生涯獲得収入の観点から、労働能力の喪失の程度を基準として、別表第一の1級~2級の2段階、別表第二の1級~14級の14段階の等級に区分し、140種類の類型を記載しています。
  2. 併合
    系列が異なる別表第二の後遺障害が2つ以上あり、その等級を格付けする場合には、その程度に応じた適切な格付け基準が必要であり、いわゆる「併合」の取扱について、以下のように規定されています。5級以上の傷害が2つ以上ある場合、重いほうを3級繰り上げる。
    8級以上の傷害が2つ以上ある場合、重いほうを2級繰り上げる。
    13級以上の傷害が2つ以上ある場合、重いほうを1級繰り上げる。
    前記1~3以外の場合は、最も重い方を後遺障害等級とする。
  3. 相当
    140種類の類型に含まれない後遺障害について、その程度に応じ類型に相当するものとして等級を定めることを言い、これによって定められた等級を「相当等級」と言います。
  4. 加重
    既に後遺障害があった人が、同一部位にさらに傷を負い、後遺障害の程度が重くなり、より上位の等級に該当することになった場合を言います。
    加重障害の保険金額は、加重後の後遺障害の保険金額から、既存の後遺障害の保険金額を控除した額を限度として支払われます。


異議申立

とりわけ、頚椎捻挫で後遺障害の“非該当”となった場合、また、その理由が、自覚症状を裏付ける原因がX線・CT・MRI画像に映し出されていない点にある場合は、以下の要領で異議申立をすることが可能です。

①MRI検査
第7話に紹介した精度の高いMRI検査ができる病院を見つけて、精度の高い検査を申込みます。

②診断書
検査結果画像と自覚症状の因果関係を認める所見を記載した診断書を改めて発行してもらいます。

③異議申立書
決まった書式はありません。以下のように作成します。

宛先、年月日、住所、氏名、電話番号、添付書類名、自賠責保険証明書番号、事故年月日、被害者名に、以下の文言を記載しておきます。

先般貴社より受理しました後遺障害認定調査結果に関して、下記の通り、異議を申し立てます。
本件について、先般受理しました「認定通知書」には、「    …    」との説明がされています。
一方、既提出の後遺障害診断書においては、主治医A氏によって、     …     」との所見が得られています。
また、今回改めて検査を受けたところ、画像上~が確かめられ、担当医師B氏によって、「    …    」との所見が得られました。
よって、今回の検査画像及び担当医師B氏作成による診断書を添付の上、異議を申し立てます。
ご審査の程、何卒よろしくお願い申し上げます。

以上で「異議申立書」の完成です。

④必要書類
後遺障害認定申請としての「被害者請求」同様、第10話で説明した送付先に、以下の書類を提出します。

「異議申立書」「自賠責保険支払請求書」「印鑑登録証明書」「MRI画像」「診断書」

 

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