第13話「労災保険」

交通人身事故における労災

労災保険とは、労働者災害補償保険法に基づき、業務上災害又は通勤災害により、労働者が負傷した場合、疾病にかかった場合、障害が残った場合、死亡した場合、所定の保険給付を行います。

一方、交通人身事故による死傷者数は年間約120万人に達し、その約30%が労災事故に該当します。

この場合、労災保険給付と自賠責保険金支払いとの間で、損害に対する二重てん補にならないように支給調整(自賠責保険金既支払いの場合は、労災保険給付は一部控除される。逆に、労災保険給付が先に実施された場合は、政府が一部自賠責保険への求償権を取得する。)が行われます。

労災保険給付と自賠責保険金支払いのどちらを先に受けるかについては、被害者が選ぶことができます。

したがって、被害者は労災と自賠責保険のそれぞれの補償内容や基準を理解して判断することになりますが、基本的にどちらが先かによって損得が発生する訳ではありません。

しかしながら、より有利な方法として、以下のパターンをご紹介しておきます。

労災保険給付の先行

後遺障害認定申請としての「自賠責保険被害者請求」

自賠責保険後遺障害等級認定通知

労災障害認定申請
*自賠責保険後遺障害等級認定通知書コピーを添付して申請します。

労災保険障害認定日の通知

労災保険障害認定
*X線・CT・MRI画像を持参して指定日に労働基準監督署に行きます。

なぜこのようなパターンをお勧めするのかについては、様々な理由があり、簡単には説明できません。

ただ、労災と自賠責という双方の制度を利用する上において、手続き上避けられない負担とムダを最小限にして、得られるメリットをしっかり確保するためであるとだけ、言っておきます。


労災保険情報の確認

労災保険情報に関しては、公益財団法人労災保険情報センターのホームページに詳しく紹介されていますので、お確かめください。

公益財団法人労災保険情報センターはこちら


労災保険利用の注意点

労災保険と自賠責保険はそれぞれ独立した制度であるため、その違いと関係から、注意しなければならない点があります。

①過失割合
労災保険に過失割合の適用はなく、過失があっても減額されることなく所定金額が全額給付されます。それに対して、自賠責保険は過失が70%以上では減額があります。

②求償期間
労災保険の自賠責保険に対する求償期間は事故発生から3年間です。つまり、3年間は同一の事由による補償は受けられませんが、3年を超える期間については、自賠責保険金を受け取った後に、控除されることなく労災保険の給付が受けられます。

③労災保険障害認定理由
労災保険は、自賠責保険と違い、障害等級認定の理由を開示せずに、等級通知だけ実施されます。ですから、労働基準監督署にて、認定理由の開示請求をしましょう。

もし、認定された等級が労災保険の方が高い場合、労災保険の認定理由を添えて、自賠責保険への異議申立をすることが可能です。

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