リフォーム工事の中で一番失敗が多いのは、塗装工事です。
曰く、「ぼったくられた。」「手抜き工事だった。」「(見積書と違う)低価格の塗料が使われた。」「数年で塗装がはがれた。」などです。
失敗の理由は、一言で言うと業者選びの失敗につきます。
逆に言うと、業者選びさえ間違わなければ、トラブルと失敗を避けることができます。
そうは言っても、素人のわれわれが、自分ひとりでどうしたらいい業者を選ぶことができるのか?
その方法は、予め素人がはまる罠を把握し、確実にチェックポイントの条件を満たしていくことです。
全体としては難しくても、ひとつひとつのチェックポイントをクリアしていくことは難しくありませんので、ここにご紹介するすべてのチェックポイントをクリアすれば、結果的にいい業者を選び、トラブルと失敗を回避することになります。
そういう考え方(作戦)で、15チェックポイントをピックアップしました。
言い換えると、この15チェックポイントは、素人がはまる可能性が高い罠でもあります。
くれぐれもそれを忘れず、チェックポイントをクリアしていってください。

1.直接塗装業者と契約する
これは、実際に塗装する塗装業者と商談して契約することを意味します。
つまり、工務店やリフォーム会社、訪問販売のセールスマンを間に入れないことです。
その理由は、間に入ることによって、必ず25%以上の中間マージンを取られるからです。
中間マージンを取られた塗装業者は、利益が薄いので、品質を落とすか手抜きをしたくなります。
それを避けるために、直接塗装業者と契約することが鉄則です。
2.塗装業者の資格と能力
塗装業者が、塗装工事業として建設業許可である知事の許認可を取っていること。
具体的には「建設業許可(塗装工事業)~県知事許可(般-19)第~号」のことです。
もうひとつが、職人に与えられる国家資格を取っていること。
具体的には「厚生労働大臣認定・一級塗装技能士」のことです。7年以上の実務経験があることを示しています。
3.保証と範囲
塗装工事の保証があるかどうか確認しましょう。ある場合は、保証対象(「外壁の塗装はがれ」「外壁のひび」「木部・鉄部の塗装はがれ」「屋根の塗装はがれ」)を確認しましょう。
保証期間は、3~10年が一般的のようです。使用する塗料によって変わります。
塗料メーカーの保証もあるにはありますが、適用対象がかなり限定されており、一般の個別住宅に適用されることは少ないようです。
4.下地調整
下地調整とは、塗る前の下準備として、サビ・よごれ・塗膜のはがれなどを専用の道具を使って取り除きながら、同時に研磨して(細かな傷をつけて)塗料の密着度を高める作業のことです。
下地調整をしないまま塗ると、よごれの上や、はがれかかっている塗膜、劣化した塗膜の上から、さらに塗り重ねるだけになり、塗装の耐久性を著しく低下させます。 どんなに高品質の塗料をていねいに重ね塗りしても、この下地調整をちゃんとしないと、それらがすべて無駄になります。
塗る前の作業ですから、塗ってしまえばやったかどうかもまったくわかりません。
壁やコロニアル屋根(カラーベストとも言います)の下地調整は、「高圧洗浄」で行います。
コロニアル屋根の高圧洗浄は、特に重要な作業です。
屋根に付着している古い塗膜や、藻・苔などを高圧水のパワーで洗い落としていくわけです。
これを十分に行わないと、古い塗膜や藻や苔の上から塗料を重ねるだけになり、耐久性が著しく落ちます。2、3年ではがれてしまうこともあります。
下地調整については、必ず事前に内容の説明を受け、実際に工程を確認してください。
5.塗料グレードの選定
グレード | 耐久性 | 単価(㎡) | 特徴 |
アクリル | 5~7年 | 1,400~1,600円 | 今はほとんど使われない |
ウレタン | 8~10年 | 1,700~2,200円 | 紫外線に弱く変色しやすい |
シリコン | 10~15年 | 2,200~3,000円 | 最も普及し、コスパに優れている |
ラジカル | 12~15年 | 2,500~3,000円 | シリコンに代わる近年注目されている塗料 |
フッ素 | 15~20年 | 3,800~4,800円 | 高い耐久性、耐候性を備えている |
遮熱 | 15~20年 | 4,000~5,000円 | 遮熱による省エネ効果、夏場の冷房費削減が期待できる |
光触媒 | 15~20年 | 4,200~5,000円 | セルフクリーニング機能によって汚れにくい |
無機 | 20~25年 | 4,500~5,500円 | 紫外線によって劣化しないので耐久性高い |
現在一般的に使用されているのはシリコンですが、15年以上の耐久性を見込める各種塗料を検討する価値があります。
なぜなら、単価が高くても長くもてば、結局はコストパフォーマンス面で得だからです。
例えばシリコンとフッ素の価格差は、平均で2,600円と4,300円の差1,700円ですが、40坪の家の場合、塗装面積は、簡易計算で40×3.3×1.2=158.4㎡なので、金額差は、1,700×158.4=269,280円となります。
しかし、次の塗り替えまで5年間以上長くもてば、決して割高とは言えません。
遮熱塗料のように電気代の節約効果も見込めれば、さらにコストパフォーマンスが上がります。
屋根にも塗る場合は、特に省エネ効果が見込めます。(科学的実証データによって証明されています。)
また、遮熱塗料のように省エネ効果が見込めるリフォームに対しては、補助金制度がある自治体もありますので、確認しましょう。
塗料のグレードは、業者の意見だけではなく、自分で調べて客観的に比較し、納得して選ぶことをお勧めします。

6.水性か油性か
従来は、油性の方が耐久性が高いと言われていましたが、最近は、余りその差はなくなっているようです。
業者に確認して決めましょう。
7.色
色見本より実際の塗装の方が明るく見えます。実際に同じ色を塗った現場があるなら、写真等で見せてもらいましょう。
8.艶
通常の塗料は艶ありですが、添加剤として艶消し材を混ぜることで光沢度を下げることができます。
光沢度を下げれば、デザイン的には落ち着いた雰囲気でお洒落になります。
ただし、艶消し材を混ぜることで塗料の性能にマイナスに影響することがありますので、業者に確認して決めましょう。
9.3回塗り
外壁塗装は、塗装の定着を図る「下塗り」、塗装の厚みを確保する「中塗り」、仕上げの「上塗り」の3回塗りが基本です。
業者に確認しましょう。
10.塗装面積
先程、簡易計算で「坪数×3.3×1.2」によって塗装面積を求めましたが、実際は、立面図の数値を使って計算するか、実測で求めましょう。
計算式は、外壁=横幅×高さ-窓面積、屋根=各屋根面の面積の合計です。
11.付帯塗装
付帯塗装とは、外壁と屋根以外の、軒天、破風板、雨樋、鼻隠しの塗装のことです。
どの部分を何で塗るのか確認しましょう。
12.コーキング補修
コーキング工事とは、サイディングボードの間の目地の補修工事です。
コーキングが劣化すると雨漏りにつながるため、通常、塗り替え時にいっしょにメンテナンス(交換)します。
「2液成分形」と「1液成分形」があり、「1液成分形」は部分補修用ですので、「2液成分形」で肉厚のあるコーキングをしてもらってください。
13.工程
足場 → 養生 → 洗浄・下地調整 → コーキング補修 → 屋根・外壁塗装 → 付帯塗装 → 足場解体・後片付け
工程の流れと、スケジュールを前もって確認しましょう。
14.見積書
サンプルを示します。想定は40坪2階建て、単価は平均的相場を用いました。
項目 | 品名 | 数量 | 単位 | 単価 | 金額 | 備考 |
足場 | 340 | ㎡ | 700 | 238,000 | 外周×高さ | |
養生 | 340 | ㎡ | 400 | 136,000 | ||
高圧洗浄 | 250 | ㎡ | 200 | 50,000 | 外壁+屋根 | |
下地調整 | 1 | 式 | 60,000 | |||
コーキング補修 | 170 | m | 700 | 119,000 | ||
屋根塗装 | 遮熱塗料~ | 90 | ㎡ | 4,500 | 405,000 | 3回塗り |
外壁塗装 | シリコン塗料~ | 160 | ㎡ | 2,600 | 416,000 | 3回塗り |
軒天塗装 | ウレタン塗料~ | 30 | ㎡ | 1,500 | 45,000 | |
破風板塗装 | シリコン塗料~ | 35 | m | 1,000 | 35,000 | |
小計 | 1,504,000 | |||||
諸経費 | 75,200 | 5% | ||||
計 | 1,579,200 | |||||
消費税 | 157,920 | |||||
総計 | 1,737,120 |
単価は、平均的な相場がありますので、複数の見積を比較すれば高いか安いかがわかります。
数量は、立面図による計算値か、実測値かで算出しましょう。
使用される塗料のメーカー名と商品名を確認しましょう。
付帯塗装については、1式ではなく、対象部分ごとに単価と数量を出すのが基本です。
15.3社以上見積り依頼
確かに検討作業は面倒ですが、10~15年に一度の塗り替えですから、少なくとも3社以上から見積を取って、じっくり検討することが必要です。
1社しか見積を取らず、慌てて発注して、後で「失敗した!」とならないようにしてください。
チェックポイント15の進め方
以上塗装工事で失敗しないためのチェックポイント15をご紹介しました。
初めにお話ししたように、業者選びさえ間違わなければ、トラブルと失敗を避けることができます。
さて、チェックポイント15の主要な項目を、いちいち自分でチェックしなくても、事前にチェックしてもらえたらとても楽ですネ!
実は、1.契約した塗装業者の直接施工、(2.資格と能力)、5.塗料グレードの選定、14.見積書のチェック、15.3社以上見積り依頼等の条件をクリアし、契約内容の相談、さらには、業者との交渉まで対応してくれるサービスがあります。
この利用によって、初めから主要な項目がクリアできるので検討作業が楽なだけではなく、発注後の管理面もとても助かります。
それに、必ず発注しないといけない縛りはありませんので、安心して利用できます。
各見積サービスの特徴の違い、対応の優劣を比較して選んでください。
最終的にどこに発注するかは、何を重視するかによって変わると思いますが、いずれにしろ、見積サービスを活用して複数候補を比較し、納得の上で決めましょう。
外壁塗装パートナーズでは、お客様に紹介する業者を 「販売・施工・アフターまで一貫して行える『自社施工の会社』」に限定しています。
販売・施工・アフターをすべて一貫して行える『自社施工の会社』は、 施工やアフターのノウハウが販売に反映されやすく、説明が丁寧で責任感が高く安心という特徴があります。
また、外注施工の場合にかかる中間マージンがないため、低価格で外壁塗装が可能です。
外壁リフォーム(塗装・張り替え)の無料一括見積サービスを提供しています。
初めから複数業者の見積比較ができて助かります。
また、コンシェルジェが、希望条件に該当する業者を紹介するので、ミスマッチを避けられます。
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