第1話「がん死亡保険金は支払ってもらえない?」

がんが死亡原因の1位である(平成22年で29.5%)ことは、今や多くの人が知るところです。
保険のタイプによりますが、ご存知のように、がんで死亡した場合「がん死亡保険金」が支払われる商品が多くあります。
さて、約款には「がん死亡保険金」の支払事由として、「がんを直接の原因として死亡した時」と記載されています。

当然客観的な根拠に基づいて判断されるのでしょうが、では、その根拠とは「死亡診断書」ということになります。
ならば、「死亡診断書」を見ると、確かに「死亡原因Ⅰ欄(ア)直接死因」という欄があります。

しかし、厚生労働省の「死亡診断書記入マニュアル」を読むと、死亡原因統計はⅠ欄(ア)~(エ)欄の内、最下欄の疾患を死亡原因として採用するとあります。
つまり、胃がんの患者が死亡する直前に「呼吸不全」となった場合、「Ⅰ欄(ア)直接死因」に「呼吸不全」と記入し、(イ)欄にその誘因である本来の疾患「胃がん」と記入するという訳です。
ですから、死亡統計上は、この場合「がん」が死亡原因となります…

では、保険会社の約款に記載されている「がんを直接の原因として死亡した時」の根拠となるのはどっちなんでしょうか?
残念ですが、私が知りえる範囲では、「Ⅰ欄(ア)直接死因」です。
したがって、がんで死んでも「がん死亡保険金」は支払われません!
なぜなら、このケースの「直接死因」は「呼吸不全」だからです。

某生命保険会社に電話で問い合わせてみると、「個別に審査して決定します。」というどちらともとれる回答でしたが、逆に言うと、がんで死んでも「がん死亡保険金」が支払われないケースがあることを意味しています。
また、保険会社によっても判断の基準は一定ではないようです。
もし、あなたが「がん保険」に加入していて、保障内容に「がん死亡保険金」があるなら、すぐ確認すべきでしょう。

しかし、保険という商品の宿命でもありますが、契約する際に、売る方は、肝心ないざという時の説明をほとんどしません。
また、買う方も、肝心ないざという時の質問をほとんどしません。

現実的に、契約時にあらゆる説明を網羅することは不可能なのですが、その商品の生命線である重要事項すら、確実に説明されているかと言えば、説明されてないことが少なくないのです。
そして、実際のところ、契約者であるあなたを守ってくれるのは、保険会社や保険募集者が積極的に教えてくれない、肝心ないざという時になって初めてわかる真実の知識です。

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